ルネッサーンス!!!

どうもこんばんは。終わりゆく3連休、皆様はいかにお過ごしでしょうか。

極めて私ごとなのですが、なんかこう暑いし、行き詰まった感じがあったので読書旅行に突発で行ってきました。

あと某青いメガバンクさんがこの3連休にメンテだそうで、メンテだそうで火曜日にならないとATMが使えない。開いてる店舗窓口もない。

なるほどなるほど。と思っておさいふを見るに、普段からあまり現金を持たない主義なわたくしは、自身のおさいふに現金520円しか見つけることができませんでした。

なんと恥ずかしい。これじゃどこにも行けないじゃないか。

 

 

読書旅行を決行した。

そう思ってた時期がわたしにもありました。

目を開けるとそこは海。あらまあ。気がついたら伊豆。圧倒的伊豆。ありがとうございます。きちゃいました。

 

 

夏も真っ盛りすぎるので、本を読んでいました。現代っ子。

というわけで、最近読んだ本をいきなり紹介してみようと思います。突発的な発作みたいなもんです。ご賞味ください。

 

「読後感が晴れやかで爽やか」で選んでみた。

ブームが終わっても、時代が変わっても、人生は続く。『一発屋芸人列伝』


髭男爵の山田ルイ53世が、自ら”一発屋の今”を追いかけてまとめたノンフィクション。この記事で一本釣りされてしまい、予約して発売日にゲッツ&読了&ターン&ゲッツ。

それでも、人生は続く 一発屋芸人のプライドと流儀

https://ex.yahoo.co.jp/buzzfeedjapan/ashitano-interview/15.html

ただ、いわゆる面白おかしくいじるのではなく、それぞれの芸人(元芸人)を一人の人間や仕事人として丁寧に取材してあって、とてもよかった。

やっぱり時代というのは変わるし、芸人に限らずそういう”時代に使われる”人たちはその煽りを強く受ける。それでも、ブームは終わっても人生は終わらない。世間から相手にされなくても生きていかないと行けない。それは芸能人だって一人の人間として同じなんだ、というのを教えてくれた。さすが笑いに対して真摯である人たちなので、なんだか憎めないし愛されキャラが多い。そういう人たちが「ピークの過ぎた後」でも幸せになれるんだということを教えてくれて、素直に勇気がもらえる。そんな一冊。

全ての仕事人間に読んで欲しいし、読んだら笑って明日も仕事してて欲しいし、芸人に少し優しくしてあげて欲しいと爽やかな気持ちになれました。

 

全てに全力だったあの頃をもう一度駆け抜ける。『翼はいつまでも』

 

青森県の中学三年生、神山は補欠の野球部員、平凡な生徒だ。ある日米軍放送で聴いたビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」が彼を変えた。聞き覚えてクラスで歌い彼はクラスで認められた。

多恵からも声をかけられ初恋の思いを抱く。

夏休み、さまざまなトラブルが彼を襲う。でも彼には仲間がいるし、ビートルズがくれた勇気もある。

「本の雑誌が選ぶ2001年度ベスト1」「第17回坪田譲治文学賞」受賞。

 

夏はなんだか小説が読みたくなる。蒸し暑くけだるい空気の中で、自分の意識だけをどこか別の世界に飛ばして、別の夏を体験してくる。そういうことがしてみたくなる。

そのため、毎年夏になるといくつか爽やかで軽やかな気持ちになれる物語に手を出す。

今年はこの『翼はいつまでも』だ。

音楽に勇気をもらったことがある、大人にむちゃくちゃにされて悔しかったことがある、好きかどうかわからないけど気になってる異性と仲良くなりたかったことがある、そんな人に読んで欲しい。なるべくなら、一気読みしてほしい。

情熱、友情、冒険、そして純情。おとなになってしまうと気恥ずかしくてどう扱ったらいいのかわからないこれらの感情を、主人公である神山くんが自分に変わって全力で追求してくれる。

大人な自分にちょっとでも嫌気がさしたなら、一夏の冒険だと思って読んで欲しい。

おすすめです。

 

私たちは”時に残酷な現実”をどのように取り扱えばいいのか。『神様がうそをつく』

漫画です。

七尾なつるは東京から転校してきた小学6年生。クラスの女子に無視され、サッカーチームの新任コーチともソリが合わない。

そんな時、大人びたクラスメイト・鈴村理生の、誰にも言えない秘密を知ることに…。

夕立、お祭り、「とうふ」という名の白い猫。小学校最後の夏。少年少女のひそやかな冒険が始まる。

 

上で紹介した『翼はいつまでも』に似た要素はあるけど、こっちはどちらかというとストーリーというより、”読後の後味”が重視されている作品。正直、読むだけなら30分もかからない。

でもこのストーリーの、その後の話をしようと思うと30分でも1時間でも足らないかもしれない。

時に個人や人間関係に降りかかるどうしようもなく理不尽で残酷な現実。それらを「仕方ない」で割り切れるのが大人になることなのだとしたら、子供達はそれをどう捉えるんだろうか。

「最後のコマ、この後、どうなったと思う?」「最後の台詞って、どっちの意味だと思う??」そんなことを悶々と考えさせられる良作。出会えてよかった。

 

なにこの幸せなアハ体験。ダマされないように脳を回せ。映画:『アフタースクール』

 

事前情報はまったくなく、大泉くんが出ているので「一生どうでしょうするって行っちゃったから見るか」という謎テンションでAmazon primeで視聴。

最初は誠実なエリートリーマンが幸せな家庭を捨ててヤバそうな女の子にハマっちゃうヤバい話かと思いきや、どうやらこれにはとんでもないカラクリが隠れていそうで、、、あるタイミングのある会話を発端に、状況が急展開を起こす。

気がついてからのテンポのよさと、「そことそこが繋がってんのかー!!!!!」というどんでん返しの連続に、脳みそはむしろフル回転で見入ってしまいました。

物語のテンポより少し早めに謎が解ければ、最後の方は笑いが止まらないかもしれないですね。

私を含め本映画を観ている人、作品中の周りの関係人物みんなが、
自分の置かれている立場から見える世界から物事を判断し行動している。
その見ている視野の外から、ふいに何者かに足元からひっくり返される。

登場人物含めて。
そのひっくり返されかたの勢いが良くて観ていてなんだかスッキリしました。

なんていうAmazonレビューもある通り、一切ズルのない、気持ちのよいピタゴラスイッチなので、ぜひ見てみてはいかがでしょう。

 

信仰、暗躍、そして狂気。現世と異世界、2つの月と2人の壮大な物語 『1Q84』

 

 

正確には今年読んだ本ではないのだけれど、毎年夏になるとこの本を貪るように読んだことを思い出す。

また、ちょうどと言って日本語の選び方が正しいのかは自信が持てないが、ある教団の存在に区切りがついたタイミングとしても、再び手に取りたくなる。

言ってしまえば、パラレルで展開する、ある男女の物語。でも読者も気がつかないような進み方で、その世界と、人々は徐々に”狂って”いく。そんな世界を戻せるのか、戻すならどうやって?巨大なシステムに個人のストーリーが挑んでいくという典型的なポスト資本主義の王道を圧倒的な描写力でぶつけられる。大興奮。

宗教やコミューン、清貧とされる過ごし方と、学生運動、作中に挟まる様々なサイドストーリー、メディアと個人の付き合い方、急遽現れる「リトルピープル」という謎の存在。

 

間違いなく、長編の部類に入る(ハードカバーで読めば1000ページ超え!)この作品だけど、現代的な教養のひとつという意味を抜きにしても、読者に謎を残し無表情に進んでいくストーリーは引き込まれるし、シンプルに面白いので、読んでおくことを強くお勧めできる。

また近いうちに精読し直そうと思うんだけど、すでに楽しみ。

 

 

 

これからの豊かさってなんだ??『新・お金の答え』

 

 

いきなりカネの話かよ!!と思うべからず。お金っていうか、豊かさについても考えてきたわけです。

資本主義経済なうなため、いまの豊かさや幸福度というのはお金、貨幣とか経済的なリソースの多寡に大きく相関をとるわけで、とはいえ状況として「それだけじゃないよね?」というテンションは感じられる。

いよいよ30代に突入してしまったこともあり、「これからの人生、どうやったら幸せに過ごせるんだってばよ」という気持ちで読んだ。

結果からすると、実はもうしばらくはお金の大きさを元に喜んだり悲しんだりをしそう。でもあくまでひとつの指標で、ほかの要素についても深く考え、そして(ある程度安定的なお金を無視してでも)ゲッツしに冒険したほうがいいんだな、と確信した。

理由は2つあって

・経済指標以外の幸福や意義を作り出し機能させる環境や技術が整いつつある

・結局、経済指標の外側の成績に、経済的なリソースが集まってくる

なんていうところ。

なので、どちらがいいか、どうすべきかの答えとしては、「ある程度の経済合理性を保ちながらのハイブリッド」でした。冒険して、チャレンジするぞ。

 

そういえばなんやかんやキャッシュレスだった

冒頭に書いた通り、ほとんど現金は持ってないまま出発したのだけど、宿の手配から交通機関の切符の予約、飲食、ほとんどすべての決済をSuicaとクレジットカードで行った。現金を使ったのは駅のコインロッカーに荷物を預けるときだけだ。

普段からあまり現金を持ち歩かないのだけど、軽い旅行くらいなら全然問題ないことがわかった。(とはいえ今回は相当イレギュラーだけど)

 

 

海と緑はいいぞ。

 

やっぱり東京のそこそこでかい企業でIT産業の事業計画とか戦略策定とか、マーケティングとかやってると、時間の進み方が相当に早くなっており、1週間とか2週間の重みがすごいことになるため、めちゃんこ肩が凝る。(個人差あり)

おれは凝る。なので、力を抜いたり、目の前のディスプレイではなくてリアルな現実世界で見晴らしのよいところにいくことはとてもよかった。いい意味でほぐれたし、視野が広がり、思考が柔軟になった。こういうのは定期的にやるべきだと直感で思った。

 

 

とりあえず都内に到着したものの、精神はまだ伊豆にあるので、明日は体だけ出社する運びになりそうです。

 

 

なんつって。