右ひざに好きな単位を書いて暮らす、という世界線に生まれていきる 夢を見ました。

どうもおつかれさまです。月曜日です。

ちなみに書いた単位は「ヘクタール」でした。

 

新卒の方々も新生活に放り込まれて、はや2週目に突入したんですかね。最初の数週間なんて研修という名のボーナスタイム。昼間はきっちり勉強して、あとは早めに飲んだり寝たりしましょう。

 

こんな記事を目にしました。

スキルのない正社員が「働き方改革」で窮地に陥る理由

http://diamond.jp/articles/-/124195

 

 

月末、政府が最優先で進めてきた働き方改革の実行計画がまとまった。

九つあるメニューの中でも、企業が対応に苦慮しそうなのが、「同一労働同一賃金の推進」「時間外労働の上限規制の導入」の二つである。

 

結論から言うと、「長時間労働を(よりちゃんと)取り締まっちゃうぞ」というのと、「正社員とかそうじゃないとかの要素だけで色々差があるのよくなくね?」といった運動だそう。

詳細は下記。

同一労働同一賃金については、同じ企業内での、正社員と非正規労働者との間の不合理な待遇差を解消する。企業は非正規労働者の求めに応じて、類似業務に就く正社員との待遇差の理由の説明義務を負う。

基本給やボーナスについては、合理的な説明さえできれば正社員と非正規労働者とのギャップが認められるが、通勤手当などの各種手当や福利厚生については同じにしなくてはならない。

 

いわずもがな、時間外労働の上限規制は以下のような内容になっている。

 

時間外労働の上限については、原則は「月45時間、年360時間」だが、労使協定を結べば年720時間、繁忙期は月100時間未満となった。

 

ちょっと距離を置いて読めば当たり前だと思われるような内容だが、これが意外と浸透していなかったりすることに気が付くのに、そう時間はかかるまい。

ある程度体力のある企業ならともかく、あくまで短期的な成長を意識しなくてはならない段階の企業においては、上記した2項目は耳の痛い話かもしれない。

 

また、これにより苦しむのは企業側だけでなく、一部の社員も含まれる。

社員としては、働く時間が少なくなりそうな話に聞こえるかもしれないが、ちょっと細かく考えると事情は変わってくる。

 

◆企業は生産性を上げる仕掛けを用意できるのか、が試される

まず、企業は「生産にかける時間に上限を設ける」「いままで度外視してきた人件費が発生する」という2点において、利益率の鈍化が発生する。

そもそも、正しく社員やその他事業に関わるパートナーに給与として還元していれさえすれば問題はないものの、純粋に余裕がないなどでそうでない企業も多かったりする。

これらの会社の利益はこういった「計上されないコスト」の削減で担保されていた部分もあるかもしれない。ここに適切なコストが発生することにより利益が減り、全体から見れば利益効率が鈍化する。

事業によっては「儲かってるように見えた」存続の危ぶまれるサービスや組織も出てくるかもしれない。

 

企業側を慮る声としては

まず、企業にとって痛みを伴う。ある政府関係者は、

「生産性を上げる仕掛けがないまま労働時間を機械的に減らす。働き方改革が企業の大停滞期の引き金を引いてしまう」

と危機感をあらわにする。

 

といったものもあるようだが、よくよく考えれば、そういった利益率の担保やコスト管理、全体の収支のマネジメントなどは経営者、経営企画側の仕事であり、この組織が真っ当に機能していれば調整自体は可能なのではないだろうか。

とにもかくにも、今のまんまの資源で頑張るならこの仕掛けづくりが急務だ。

 

社員の労働コストを正しく見ないことで生きながらえる事業は、そもそも死んでいるに等しい。

組織を収支に無理をさせない適切なサイズに再構築するもよし、潰してしまうもまたよし、あるいは生産性を向上させて適正範囲内で稼働するよう、言葉通り働き方改革を促すという本質的な手もそもそも残っている。

 

っていうか、ちゃんとするならそれしかない。

管理職側の手腕が求められる。

 

 

◆社員は仕事を作り出し、問いを生むことができるのか、が試される

一方で、苦しいのは会社側だけか、というと話は違う。

 

今回導入された同一労働同一賃金には、ヨーロッパ型の職務給(仕事に応じた賃金)の考え方が色濃く反映されている。

だが、日本企業では年功序列が残る職能給(能力に応じた賃金)を導入しているところが多く、人事体系の見直しは必至だ。

 

という指摘にもあるとおり、日本には年功序列という謎のルールが存在する。

これは「早く生まれて、早く会社に来た人を、そうでない人は敬う」という、改めて詳しく説明したところで企業の生産性とどう結びつくのか分からない謎のルールだ。

上記した生産効率性の向上について、実は世の中に手段が存在しないわけではなく、ピンと来ないかもしれないけど、いわゆる機械による自動化や最適化が、人工知能の名のもとにどんどん出来る範囲を広げて絶賛成長中だったりする。

これにより、人が行っていた作業を機械にリプレイスすることにより、人間のような管理コストなどを押さえることが出来る。

一方で、機械に出来る仕事は機械にやらせた方が、管理コスト的にも品質的にも、世間体的にもよくなってきて、今度は人間から仕事が奪われていくことになる。

これをシンギュラリティとか言ったりするけど、これは導入さえ済んでしまえば確実に起こるし、機械を使う側からすれば最高に素晴らしいソリューションだったりする。ホントにいい。

でも、仕事を取り上げられるのはなんか怖い。仕事しなくていいのはいいんだけど、いわゆる働き方改革は「仕事してない人にお金払わない」という適正化も含まれており、「あれ、お賃金・・・・あれ・・・」という状況にもなりうる。

 

なので、人間社員としては、「奪われにくい仕事」を手に付けておく必要がある。

それが、見出しにもした「問いを生む」仕事である。

機械の行動基盤は「計算」である。おおまかに分けて最適化と予測モデル、なんかが今の現場では頑張ってくれてるけど、このどちらも「何を最適化すべきか」「何を予測すべきか」はまだ人間様が設計してあげないといけない。

雛鳥にご飯を与える親鳥のごとく、機械に処理してほしい問題と情報を与え、「何を」の部分を定義する。

このクリティカルな解決目標を機械に教師なしで吐き出させるのはまだまだ一般的には困難と感じており、引き続き人間の仕事として「何を目指すべきか」を設計するポジションは残ると思ってる。(しばらくは)

 

だから、多少哲学チックで恥ずかしかったとしても、学問的に自分や自分の組織の置かれた状況を分析して、問いを生み出すことは、今後生き残るにあたり大切だと思う。

問いを立てるための背骨とか、学問の話についてはこちらもご覧ください。

 

なんというか、仕事をしていて特に思うのが、再現性に対するリターン(報酬)は今後どんどんタイトになっていくだろうということ。

正直、特定の公式やパターンのなかで勝負しても、絶対に機械連中、いわゆる人工知能だの、なんだのには勝てない。そんななかでも、人間の雇用が終わらないのはちょっとした想像性への期待と愛着だったのだろう。やっぱりちょっとしたハプニングやイレギュラー対応はまだ人間のほうが強い。

とはいえ、そのパイは機械による効率化をシビアに見ていくと完全にただのコストだし、当然そんなもんに払うお金は今後目に見えて小さくなっていくわけで。

自分自身が、この辺をちゃんと組織や企業に導入し、活用していく画を描いていたりするので、特に強く思う。再現性においては機械には勝てないし、機械以下の報酬で働くのは本当にキツいと思う。そんな人生でいいはずがない。

 

【人生考】学問をしない大学生の価値判断基準の外部化と背骨の話

 

◆働き方改革を生き残るためには

・自身の違和感を大事にしよう。正しさはあなたを味方する

もっと単純な話、特に若い層については上記した改革自体はチャンスかも知れなくて、つまりは「存在してる意味がよくわかんない連中」を、真面目さと成果で追いぬけるかもしれないからだ。

正しいことをやって正しく評価される時代が来るかもしれない、ということ。

 

結局、過重労働を避け、また成果主義の波にのるためのキーになるのはたぶん”効率化”の部分で、基本的に日本っぽい会社は「なんでそれが必要デスカ?」と外人から質問されてもおかしくない謎ルールが蔓延っていたりする。

これらはある意味「年功序列」勢が生み出した障壁かもしれず、今までは納得のいかないまま従ってきたかもしれない。

けれども、今後は国が「効率化」を掲げて、もしかしたらその理不尽を砕く背中を押してくれるかもしれない。

「なんでこうなってるんですか」「効率悪くないですか」「こっちのほうが効率よくないですか」をいいやすい空気になる。(今よりは、たぶん)

 

なので、自身の違和感は大切にしよう。

外から見て変なことは、大体変だ。内部にいるとわからなくなってしまうだけで。

そうして働き方改革の一辺を担うのもいい。

 

Noと言えるようになるのも大事だと思う。

 

キーワードは「より少なく、しかしより良く」だ。

この辺のお話が気になったら、以下の書籍を参考にしてみるのもいいと思う。

・エッセンシャル思考

とにかくこれは読もう。「より少なくよりよく」を体現するためのベストな教科書。

世の中のムダという無駄を排除しながら本質的に、成果を求めるにはどうしたらよいか。

そういう筋道の立て方から実際の行動規範まで網羅されている。

自分の人生は自分の人生、その質を上げていきたいのであれば、必読です。

これをいつ読むか、によってその後の仕事との向き合い方は大きく変わってくると感じる。

 

 

・Think simple~Appleを生み出す熱狂的哲学~


正しくSimpleであることの強さを説く本。iphoneやMacシリーズ、ipadなど、驚くほどにシンプルで、なのに機能的で多様な使われ方をしているAppleのプロダクト。

これらがどうやって生まれてきたのか、おもに故スティーブ=ジョブズの振る舞いと思想を見て描かれている。

本書で説かれている魔法のような”10のシンプルの杖”は以下。

Introduction シンプルの杖
第01章 Think Brutal 容赦なく伝える
第02章 Think Small 少人数で取り組む
第03章 Think Minimal ミニマルに徹する
第04章 Think Motion 動かし続 ける
第05章 Think Iconic イメージを利用する
第06章 Think Phrasal フレーズを決める
第07章 Think Casual カジュアルに話し合う
第08章 Think Human 人間を中心にする
第09章 Think Skeptic 不可能 を疑う
第10章 Think War 戦いを挑む
Conclusion Think Different

これも、そのまま仕事に活かせる項目が実に多かった。

特になんらかの意思決定や、判断を下す立場、社内外でクオリティマネジメントをする立場の人に読んでほしい。

 

焦点を合わせることは、その対象に対してイエスという意味だと人々は考える。だが、それだけではない。
そこにある他の100の良いアイデアにノーということも意味するのだ。
選ぶのは慎重にしなければならない。私は、自分がしてきたことと同じくらい、してこなかったことに誇りを持っている。

イノベーションは1000もの物事にノーということなのだ。

 

なんてね、カッコよすぎるでしょ。

 

というわけで、国が本腰を入れた働き方改革、実はツール類については着々と進化を遂げ、人間から簡単な仕事をどんどん奪うようになっていくので、みなさん効率化頑張って生き残っていこうね!!!

というお話でしたとさ。

 

なんつって。

 

 

 

◆その他参考:仕事系記事

【仕事観】捨てることによって増やすというのが超クール

【組織論】成果主義の限界について考えなければならない

無敵と同調、負けない交渉におけるストーリーを武器としてもう一度。