ちなみに言い分としては「初日でこの会社はないなと見切りはつけてた」とのこと。
そろそろ初夏と言ってもいいんじゃないでしょうか。どうもおつかれさまです。木曜日ですね。
4月、この春から新社会人として後輩たちが頑張っていたり、就職活動の相談を受けてても「面接」みたいな単語が増えてきている今日この頃。
昨日のニュース流し読みの中でちょっとひっかかった、こちらの記事を掘り下げたいと思っております。
「逃げるは恥だが役に立つ」し、「我慢は美徳だが得をしない」
言いたいことは3つ。
「逃げるは恥だが役に立つ」し、「我慢は美徳だが得をしない」からの、もう大人なんだから「自分の人生に責任をもって、よりよく生きろ。」です。
ソースは週刊SPAさん。メディアの質をとやかく言うわけではないけれど、今回の記事は若干公平性に配慮が薄かったりするのかな、と思った。
「ゆとり世代」という言葉がすっかり浸透化した近年、若者世代の常識はずれな立ち振る舞いは後を絶たない。特に多いのが、会社に内定をもらったものの入社数日で出社をしなくなる、“ばっくれ新人”だ。
会社は新人を育てるために時間やカネなどあらゆるコストをかけて人材を採用している。その意味で、バックレは完全なるルール違反。そのトラブルから訴訟になるケースもあるという。
という書き出しで始まるこの記事。(なんていうか、もうヤバい。バックレそんなに多いの?見たことない。)
結びは以下のようになっている。
自分に合わない会社にはすぐに見切りをつけて次を探す。これでよいのだろうか。
良い、と思う。人生は短いし、自分の身体や精神の健康は大切だ。
まあ確かにバックレで辞めるってのはよくない。でもこれは「連絡をしないで」の部分が一番良くない、という意味。組織で動くので、あんまり常識がないと言われてもしょうがないとは思う。
合わない職場に見切りをつける、の部分については個人的には「死ぬよりはまだマシ」だと思ってる。
就職活動だけじゃなくて採用活動も意識する
個人的になんか引っかかったのは、就活と採活で生まれているこのミスマッチを、本記事では「学生側の非」というポジションで進めていること。
就活はマッチングである。学生に限らず応募する「求職者」と、採用する「企業側」の、利害一致によって成立する取引だ。
お互いはお互いの利害を、面接といった場で調査・ヒアリングし、採用するか/雇用されるかをデューデリ、判断する。(いわゆる就活マーケットにおいては、ここが上手く商業化されてるので、「求職側が判断する」っていう性質が弱かったりする。)
グッドなマッチングもあれば、もちろんバッドなマッチングもあるし、後者はどちらも得をしないために全力で避けられるべき事象となる。
忘れちゃいけないのは、ケースバイケースではあるものの、ミスマッチには双方の少なからず当事者として責任がある、ということ。
情報の非対称性が問題を招く
この場合のバッドなマッチングを生む要因はなんだろうか。
一番多いのは「虚偽」ないし、「情報の誤伝達」だろう。期待した内容やイメージではない解釈をされ、実際とは異なる要件で取引が実行されてしまうというディールは、基本的に長続きしない。どちらか(大抵は個人に)ダメージを負わせてしまうのが関の山だ。
一方で、現実としてはWebサイトに掲載したり、説明会だったり、先輩の座談会だったり、求職側へ情報提供する機会が提供されるも、そこには演出だの「あえて言及しない」などで、情報の非対称性が生まれている。
また求職側にも同様にアウトプットされない「本当のこと」があったりもする。
それをお互いが実際に会合して、「ぶっちゃけどうなんだろ」を見る場が面接だったり面談だったりするのだろう。殺伐かつ非生産的。
さっきの彼が会社を2日で辞めた理由の記載はこうなっている。
「出社1日目でかなりやる気がなくなってしまいました。入社日に全員で自己紹介をしたときのことです。部活は何をやってたかを聞かれて、特にしていないと言ったら、経験のないサッカーの社外活動を熱心に誘われました。いわゆる体育会系の会社だったんですよね。朝礼時に皆輪になって大声で社訓を言わされるのもびっくりしました。正直、腹の中ではすぐにやめてやろうと思いました」
この辺なんかは、おそらく「知らされなかった事実」なんだと思う。そしてそういうのはたいてい企業側に責がある、と思っている。
「そんなこと(希望者が減るから)伝えられませんよ」、なんて事情があるのかもしれないけど、「じゃあそんな慣習辞めさせたらいいじゃん」と思ってしまうのは筋違いなのだろうか。
会社の文化や組織の風土というのは、並大抵のことでは変わらないし変えられない。ただ、採用戦略や採用力というのは企業やプロダクトの成長を支えるエンジンのようなもの。人事や採用担当者は、そういった意識を持って社内で協働すべきだと割と素直に思う。
難しいのは重々承知だ。人事も頑張っている。現場の仕事やニーズを逐一正しく認識するのは難しいし、上のほうの見えざる力も働いたりそうでなかったりするのかもしれない。
「最初に会社から内定をもらった時は嬉しかったです。保険関係の営業職に受かって、特にその仕事がしたかったわけではないですけど、周りも内定をもらってる奴が多かったし、とりあえずゴールしたみたいな安堵感がありましたね」
正直、こんなレベルの求職者に内定を出してしまうのも、そもそもな問題な気もする。「嬉しかった」のはこの企業に内定したからではなく、「就活が終わったから」だ。そりゃあ会社には来ないでしょうな…。
けど企業によって、それこそ求める人材のレベル、また求めることのできる人材のレベルもあるのかもしれないので、一概に指摘するのは難しい。ただ、自責の念を大事にするなら、「見抜けなかったミス」だったのかもしれない。
次につながる辞め方ができればよかったね
自分自身も転職をしているし、身の回りでも転職が上手いこと転がり、年収のステージやキャリアアップになることも多い。また労働環境や拘束時間など、基本的に良い方向に働く事例を多く目にしている。
なにより、中途採用や転職のよいところは、上記した「情報の非対称性」がより少なくなり、ミスマッチを回避するための努力が、機能することが多いところにある。
出会って計数時間の、まだ現場経験のない学生を採用するのは、客観的かつ定量的な項目が少なくお互いにとって不透明なものになりがちだ。
一方で、中途採用においては企業側の「やってほしいこと」と求職者側の「やってきた(できる)こと」の解像度が高い。(ここでミスコミュニケーションを生むと結局はバッドディールになるけど)
なので、個人的には転職については(大前提、何かの改善に繋がるのであれば)もっとライトに考えてみてもいいのだと思う。新卒の就活に比べて、なんとコントロールの利く要素が大きいことか、とても驚くと思う。
このあたり、相談に乗れることがあるかもしれないので、何かしらお悩みの方がいらっしゃれば、知り合い非知り合い関係なく、学生も社会人もコメント欄からご連絡くださいませ。
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何度でも言う。
もう大人なんだから「自分の人生に責任をもって、よりよく生きろ。」です。
Life must be beautiful。
なんつって。