だいぶトリッキーな台風が来ていたり、東京で40度を超えるような天気とか、水不足とか、なんだか平成最後の夏は常におちつきがない。
でも天気だけはピーカンによかったりする。憎めない季節、そんな夏。
Outlines
非連続的な成長と、夏。
子供の頃、夏は非連続な成長の季節だったように思う。
夏休みなんていう、非日常が約1ヶ月ほどあった。
普段を構成する学校から送られた邪魔者は宿題しかなくて、それ以外の時間にはいろいろな冒険が用意されたり、自分で立ち向かったりしていた。
夏休みが明けると、久々に顔をあわせるみんなは何か、どこかしらが以前と変わっていた。山に行ったのかもしれない、海に行ったのかもしれない。初めての恋人ができたのかもしれないし、部活に全力で打ち込んでたのかもしれない。
それは目に見える変化かもしれないし、目に見えなかったものかもしれない。
何が言いたいのかというと、子供の頃、ぼくらは人生に「非連続的な進化の機会」がわざわざ用意されていたのかもしれないということ。
社会人の夏休み(非連続成長の機会)はどこへ行った?
それから何年か経ち、僕らの肩書きは「学生」から「会社員」になった。
日常を構成するのは「クラスでの勉強や学生生活」ではなくなった。
では何になったか?
「仕事」を答えてしまった人は、ちょっと危ないかもしれない。
正解は「社会人生活」であり、仕事はその中の多くを占めているかもしれないけど、仕事以外の社会人としての時間の使い方は、自身の自由であることを忘れてはいけない。
社会人の(非連続な進化の機会という意味での)夏休みは、どこにいってしまったのか。
ひとつ言えるのは、普通の会社では、なかなか1ヶ月間も非日常の場に自分を置くことは、なかなか難しいということだ。
ただ、社会人生活は、「仕事」以外をどう使うかを、ある程度自身でコントロールできると考えてみると、意外と細々とした隙間時間は心当たりあるんじゃないだろうか。
提案:「プロボノ」で、あの頃の夏休みを自分で創る。
「プロボノ」という言葉を知っているだろうか。
困った時のWikipediaには、以下のように記載されている。
プロボノ(Pro bono)とは、各分野の専門家が、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動全般。
ボラン・・・ティア・・・?
そうですボランティアですー。ボランティアやりなよー、というのが今回の話。
自分の人生やキャリア、そういうものに「このままでいいのか」という一抹の不安を覚える人は決して少なくない。
人生を変えたい、けれどもチャレンジするのは怖い、リスクがある、そうやって足を止めてしまう人も、決して少なくはない。知ってる。だって自分もそうだったりするもん。
なので、キャリアにちょっとでも不安がよぎったらプロボノから始めるのがよい。そういうお話。
プロボノは、「始まりやすい」
なぜなら、圧倒的な「始まりやすさ」があるから。
人や労働力の流れと市場構造からして
市場の仕事というのは、業務を提供する側と、それを受け賃金を支払う側に分かれている。
でも、この需要と供給のやりとりは、個人でやろうとするというほど簡単ではなかったりする。
理由は簡単で、
提供する側:自分のスキルや専門性に商品としての自信がない、市場価値がわからない、需要へアプローチしにくい。
依頼する側:品質担保に怪訝、お金が絡む話なのであんまりホイホイ任せるのも厳しい
という力学が働く。
でも、少なくともプロボノであれば、提供側が金銭を受け取らないため、提供側の心理的なハードルも軽減できるし、依頼側のコスト的なハードルも軽減できる。
この構図により、「頼んだ方がお得」という流れが発生するため、いきなりお金を取るより圧倒的に「始まりやすい」。
いろいろなITサービスやネット環境で環境がサポートされてきている
テレワークとか、在宅勤務とか、業務効率化とか、そういう話は多々出てきているけど、実際に自分が勤務する会社や組織で導入されてなかったりしないだろうか。
理由はさまざまだけど、基本的には「組織が大きすぎて、ちゃんと運用されるかがわからねえ」が理由だったりする。
一方で、プロボノを受けるような小さな組織や個人であれば、この辺りの導入ハードルや、体制の受け入れなどは柔軟に行える。物理的な移動やコミュニケーションなども、本業以上に効率的に行えるような環境整備が整ってきた。
無駄なことに時間を使わない分、プロボノワーカーの業務外の負荷はどんどん小さくなってきている。
会社に勤める自分ではなくて、「スキルをもった個人」として自我が芽生える
次の項目にも関連するのだけど、こういう個人ワークで、他者から「ありがとう」と言われると、いままで会社組織の一部として機能していた自分に、ワーカーとしての自我が芽生える。
これが、本業でももちろんそうだし、将来的に副業に結びつくかもしれない良い精神状況として取り込める。
かけた工数に対して収益や報酬はなくても、「自分も誰かのためになれる」「自分個人の仕事として、市場で適正に評価される」という経験は、会社への依存性を下げることに繋がり、個人としての自我を健全に保つことにつながる。
もちろん、プロボノをビジネスにしていくのも大事
最終的に、ボランティアだけで食べていくのはつらい。(本業もあれば別だけど、実際お金はもらえた方が良いに越したことはない。)
形や交渉はどうであれ、自身の市場価値を試してみることができたら、今度はお金をもらってみるのがよい。
ここで、「いや、料金が発生するんであれば話は別ですね」と断られてしまうこともあるかもしれない。でも、「無料でならありがたい」ということに、多少なり金銭的なやりとりを発生させることは、いきなり起業して事業内容を考えるよりもはるかに先に進んでるし、実現性も高いはず。
もし、それでも本当の本当に難しければ、別のボランティアを探してみればよい。
この経験が、もしかしたら自分の人生をあっと変えてしまう、自分だけの夏休みのはじまりになるかもしれない。
人生の助走期間と本番について。
「人生の助走期間と本番」という、2017年にはてなの匿名ダイアリーに投稿された(個人的な)名エントリがある。
わたしはなんとなく、まだ人生の助走期間にいるような気がしていた。どこかで人生の本番がはじまるので、そうしたら全力ダッシュすればいいんだろうなと思っていた。毎日が生きがいに満ちた本番の人生。いつか始まるはずの輝かしい本番。
だがいつまでも本番は来ない。そうして気付いた。ダラダラ走っているこの毎日が、人生の本番なのだ。助走期間なんてなかった。ずっと本番だった。
もし充実している人生をしか本番の人生と呼ばないのだとしたら、何も選ばない怠惰な人間にはいつまでも人生の本番は来ない。
ここから先はすごく言いたくないことだ。でも言う。わたしは、本当は、文章で食っていく人になりたかったのだった。どこかでそれを選んだと思っていたのだが全く選んでいなかった。苦労をしてはいった大学は、わたしと同じような人だらけだった。皆、文章で何かできると思って、でも何かできているのは一握りだった。大した努力もせず、ダラダラ道草を食っていた。
そうして大学を卒業した今のわたしは、就職活動に失敗し、明らかに向いていない職業についた。今もなお、本当は待ち望んでなどいない本番を期待し、怠惰にダラダラ走っている。
もし、”新卒気分”というものが抜けていたら、または夢がまだ叶っていない多くの人にとって、この文章を読むと、どこか心を締め付ける何かがあるのではなかろうか。
どこかで、「選ぶこともできた」道を選んでこなかった、”リスキー”だから”計画がない”から、”誰もうまくいってない”から、”実力がついてないから”。
そんな理由で自身を正当化してきたのではないだろうか。
それでもいい。別にそれでもいい。失敗をしないという選択も、かしこさや生存戦略のひとつであることは間違いない。
ただ、それらの懸念がなくなったとき、「じゃあちゃんと挑戦するんだよな?」という自分との約束だけは忘れないで欲しいし、その懸念を取り除くことも怠らないで欲しい。
そして個人的な懸念の取り除き方、それが”プロボノ”だ。
起業でもなく、副業でもなく、別の人生の「お試し」。
誰しもが、「こうなれたらいいのに」という思いを一回は抱いたことがあると思う。
FUJI ROCKのステージに立っていたアーティストはみんな、何者でもないところから、自分が良いと思うものを作品に仕立て、それをより多くの人に届けようと頑張ってきた。当然売れなければ食っていけない。売れるかなんてわからない。でも彼らはその選択を捨て切れなかった。
いま時流に乗って輝いてる起業家たちだって、大多数とは異なる人生を選び、強烈に前進させて、多少なり怪我はしても、今日まで続けてきた。
そんなリスクテイカーが輝くこの時代でも、それ以上に「挑戦したのに何者にもなれなかった人たち」が、大勢いることも確かだ。
だから、「リスクテイクをしない」という選択も賢い。
でもそれ以上に、リスクを取らずに実験してみるのも賢いと思う。
機会も、場所も、同胞も用意はされている。
結局は、それに飛び込むかどうかが全てだったりする。
「人生の助走期間と本番」の作者は、こうやって締めくくっている。
でもどうせならわたしは、本番の全力ダッシュをしてみたい。わたしにとってわたしの本番はわたしだけに与えられたわたしだけの一回こっきりのものである。わたしにとっては世界に等しいものだ。その気持ちを捨てきれない。
わたしは選ぶ。今から全力ダッシュをする。
捨て切れない、正しいと思う。
これだけいろんなことが実現可能になった時代だもの、チャレンジしてみてもいいんじゃないかと思う。
また、個人的にすごくお気に入りの動画に、レペゼン地球というDJ集団の1人、DJ社長さんが、夢を叶える途中にやってきたいろいろと、自分を夢から逃げさせない素晴らしい動画を公開しているので、気になったら見て欲しい。
【魔法の40分】DJ社長(レペゼン地球)が語る「好きなことで、生きていく」
自分も全力ダッシュで引き続きやっていくぞ。
なんつって。