出ましたね、AppleのiPhone7,そして7Plus。
いかがでしょう、リンゴがスイカでイヤホンがマリオ。
基本的にはSuica対応だったりイヤホンジャックがなくなったり防水強度の向上といったところがインパクトのあるアップデートな印象です。
機能やその所感についてはいろんなメディアがきれーにまとめておるので、そちらをご参考くださいまし。
リアルでもお世話になってたGori.meさんとか。っていうかサイトきれいだな・・・。
さて、個人的に気になるのはプロダクトの品質、というよりやっぱりApple社のマーケティングについてです。
Outlines
①世界を変えていくApple、そしてインターネットの構造におけるハイエンド路線の限界
ジョブズいた時代とそうジャナイ時代を比べて、みたいな話は有象無象なわけですが、それでもやっぱり最近のAppleは「善いことをしているが、世界を変える勢いは減った」感がぬぐえないわけです。
自分は学生時代にiPhone3Gからスマートフォンを手にし、その後iPad、MacbookPro、iPad miniと、端末を継続利用していきているのですけれども、個々の完成度はいちいち高いし、自ら課題を呈してそれを打開していく、といったアップデートパフォーマンスには毎回さすがAppleさんや!という気持ちを禁じ得ない次第でした。
また、「世の中を変える」というキーワードは、”Appleだからこそ”だったと思いますし、iPod、iPhone、MacbookAirなどはUIやデザインだけでなく、UXの領域までも実際にマーケットのスタンダードを敷設したメルクマールプロダクトといっても過言ではないと思っておりました。
数年来、Open platformのGoogleと、Closed PlatformのApple。普及性のGoogleと希少性のApple。ソフトのGoogle、ハードのApple。などといった比較のなされる両社ですが、インターネットやWebサービスがより人々の生活に密着するようになればなるほど、Google系エコシステムが機能していくようになっております。
これは構造上、いかにしようもなく。
高級であること、希少であることというのは、資本主義においては経済的な格差のうえに成立する相対的な属性であり、希少性が高まれば高まるほど、一般的な(つまりGoogle的な)属性をもった人口が相対的にその割合を増やしていくわけです。
②限界を回避する大衆迎合的なマーケティング戦略へのシフト
巨大企業としてのAppleは、そこに限界を感じてきており、ついここ数年から「大衆迎合」なマーケティング戦略をはじめたように思われます。
まずはリーク、それも正確なリークが増えました。
イベント前に注目度を上げておく必要があるのでしょう。質の高いリークが増え、私たちはイベントをリアルタイムで見ていても”驚き”が減りました。アップデート日が近くなるにつれ、それがたとえ2か月前でも、日々新しいiPhoneのことを考え、情報を探し、そして当日はその確認にすぎなくなってきているのではないでしょうか。
次に新しいものを創るのではなく、善いものをより善くする方針が強まったように思えます。
結局のところ、iphone4と4S 、5と5S、SE、さらに6と6Sといった「+S」の改善が目立ちます。存在することはよいのです、今まで最高だとされていたものを、毎回乗り越えていくことは大変すばらしいことです。
残念なのはそれに終始してしまうこと。まさか”それだけ”の発表会をAppleがわざわざする日が来るなんて、個人的には思ってもみませんでした。
最後に感じた、そして驚いたのは”物理的セグメンテーションのかかった商品開発”です。
今回のiPhone7、Felicaの対応やマリオとその生みの親である任天堂の宮本氏の登壇などなど、どうも日本寄りな印象を受けました。
ちょっと気になったので軽く調べたところ、日本というのはiOSデバイスと相性がよい、というところまでは理解できました。
アウンさんの調査がちょうどよさげだったので見てみると、他の国だとびっくりするくらいAndroid比率が高かったりします。(これは国民の経済的なアレコレなんでしょうたぶん。)
ヨーロッパ勢でもiOS比率は高い中、あえて日本を選んでくれた感はあります。そして特定の国と地域を選んだアップデートを、目玉として発表したりするなんてことは、今までのAppleにはなかったように感じます。
市場のルールメイカーたるAppleが、「そんな小っちゃい調整」をやらねばならない、というのが今です。
そういえば横浜に工場を建築する、といった予定もありますが、それが影響していた、となるとより一層「ちっちゃくなった」感を受けてしまいます。
彼らのプロダクトポートフォリオにはPCや自動車、homekitなどが控えているはず。
(音楽プレイヤー市場は自らディスラプトしましたが)今後も我々の日々の生活をドラスティックに変えてしまうプロダクトの登場を祈るばかりでございます。
とりあえず、
はやく新しいMacbookProを出してくれえ。
なんつって。