仕事終わらない、曲がりくねった道を行く。

きっと、想像した以上に騒がしい未来が、僕を待ってる。

 

はいどうも。水曜日ですね。

さっき知ったんですけど、LINEさんとmobileさんが日本国内でのシェアサイクル事業で手を組んだのだそうで。

 

LINE×mobikeがシェアサイクル、2018年上半期に

LINEは、中国のmobike(モバイク)と提携し、日本国内でシェアサイクル事業を2018年上半期に開始する。LINEではモバイクに出資し、業務提携を行う。

自転車の検索や決済をLINEから行えるようにする。
~中略~

LINEからの出資は20%以下で、持分法の適用外になる。LINEからモバイクに1人、取締役として派遣される。

https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1097897.html

とのこと。

mobikeはちょっとウェビーな人とかスタートアッピーな人が中国なんかに行くと刺激をバチバチ受けて帰国して、軒並みシェアリングサイクルのプロジェクトを企画させてしまうくらいに革命的なサービスでありますけども、まぁやっぱりみなさんいろいろ考えていて、知る限りでも結構この辺急速に激戦区化してるなーっていう印象があるのでいろいろかいてみた。お仕事もしてるよ!

 

・シェアリングサイクルの事業モデル

シェアリングサイクルっていう言い方、最近まではレンタサイクルやったやん!なにカッコつけててん!!というのは置いておいて、その歴史を振り返って調べてみると結構古くから概念として存在していることがわかった。

 

シェアリングサイクル第一世代の事業モデル

第⼀世代と呼ばれる、「ただ自由に乗れる自転車を置いておく」、つまり⾃転⾞の貸借の管理、課⾦などは発生しないモデル。WowWow100%善意。

1965年7⽉にアムステルダムで実施したWitte fiets (⽩い⾃転⾞)、1995年⽶ポートランドのYellow Bike Projectなどが知られているんだそう。

 

シェアリングサイクル第二世代の事業モデル

第⼆世代はコイン・デポジット⽅式で、貸借の管理、利⽤者の認証をしないもの

コペン ハーゲンのBycyklenが代表。マルチポート、広告収⼊等の⼯夫はあった。現在、デ ンマークでは例外的に⽣き残った例がある。⽇本の公的貸⾃転⾞には、有⼈サービス が多いが世代はこのあたりに位置すると考えるのがよさげ。

 

シェアリングサイクル第三世代の事業モデル

第三世代 ITベースで⾃転⾞の借⼊返却および追跡する電⼦・無線システムを備えるモデル。

ユーザーのアカウンタビリティにクレジットカード,デビットカード、さらには自社アプリで獲得しているユーザーデータやアカウントの信用情報などを活⽤してるイメージ。

ドッキング・ステーションの技術、チェックイン・アウトのインターフェース技術, スマートカード,スマートキーなどで差別化を図るべく最新技術もどんどん投入されていくし、むしろこういうエンジニアリングの強い会社などが鼻息荒く参入してくるようになったと思う。

 

・関係する主要なプレイヤー(国内)

メルチャリ(メルカリ)

メルカリも高らかに宣言。最近アプリが1億DLを突破したらしい。おめでとうございます。1億って、100,000,000ですよね。ゴイス。

中国を中心にシェアサイクル事業が拡大し、日本でもそうしたサービスが登場する中で、グループ会社のソウゾウによるサービス「メルチャリ」を2018年初頭から提供することを目指す。専用サイトではスマホアプリから、街中にある「メルチャリ」の自転車をレンタル、移動したら好きな場所に停めるだけ――と説明。自治体や企業と提携して駐輪スペースを確保し、ユーザーにとっては乗り捨てに近い感覚での利用体験にしたいようだ。

https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1079641.html

とのことなので、まだまだ検討中なのかもしれないけど、後述する外部ネットワーク性や普及性の観点からいくと、まぁアプリのメルカリを連携させるんだろうけど、ユーザーからするとフリマアプリで自転車をどうこうっていうのは、想起とか文脈といった意味でなかなかハードルが高そう。

 

コギコギ

COGICOGIさんは専業、つまるところこのシェアリングサイクル事業を主体とした企業となっております。ほかのサービス提供会社が「+α」で展開するのに対し、COGICOGIは展開するCOGICOGI SMART!がメイン事業となっておりまする。

 

COGICOGIの提供するシェアサイクル「COGICOGI SMART!」は、カフェやホテルに設けられた「貸し出しポート(専用駐輪場)」を拠点に自転車の貸出や返却を行い、「好きなポートで借りて、好きなポートで返す」ことができるサービスです。スマートフォンで施錠管理できるスマートロックとGPSを搭載しているため、使用後の自転車はどこのポートでも返却可能という従来にない利便性を実現しました。利用者は、Web上でCOGICOGIのポートを検索し、片道のみの利用もできるなど、目的に応じた利用が可能です。

利用料金は一日会員は1500円/日、月額会員なら2000円/月です。(いずれも毎回1時間以内の利用であれば何回でも利用可能。1時間を超過した利用をした場合は超過1時間毎に100円の延長料金が発生)

といった感じで、まぁ差別化を図るのは難しい業態だとは思うんだけど、料金形態とかポートの数とか、マシンのスペックとかを頑張る形になるんだろうなあ。専業は他社の乗っかり事業とは異なる戦略を描く必要がありそう。

 

ちよくる他ドコモバイクシェア配下のプロジェクト(各自治体の広域実験)

ドコモもやってる。おそらく都内で見る一番多いのがこれなんじゃないかなあ。

ドコモ・バイクシェアは、自転車とモバイルを融合させた環境に配慮したサイクルシェアリングシステムを提供しております。 また、自治体やマンション等の民間施設、他のサイクルシェアリング運営事業者に対し、システム提供/コンサルティング業務を推進することで、地球にやさしいソーシャルインフラを実現します。

 

ということで、とにかくいろんなところにシステム提供という形でインフラを構築していっている。公共事業として自治体が取り組むといった背景が多いみたいで、そこのニーズをうまく拾って展開できている印象。個人的に生活圏内ではめっちゃ見る。

 

HELLO CYCLING(ソフトバンク)

ドコモもやってることだし、と思ったらソフトバンクさんもやってた。そらそうか。

 HELLO CYCLINGでは、シェアサイクル用駐輪場「ステーション」を検索し、検索から決済までの手続きがスマートフォン上で行える。
サイト上で自転車を予約し、自転車の「スマートロック」に暗証番号を入力して利用する。あらかじめ交通系ICカードを登録しておくと、スマートロックにかざすだけで利用を開始できる。
自転車を借りたステーション以外のステーションに返却(乗り捨て)可能。借りた事業者とは異なる事業者のステーションでも、同じ料金で返却できる。一度に4台までの利用が可能で、1つのアカウントで家族も利用できる。

 

ただ、このモデルは純粋なシェアリングサイクルというよりはスマートキーの印象が強い。

自治体や導入希望企業に自転車を用意してもらい、そこにユーザー管理用のアプリと自転車制御用の錠を提供するっぽい。

えっ、ていうことはマーケティングコストと自転車の原価を負担しないと(ry

 

 

 

DMM

ITやモノヅクリにかぎらず、面白そうなものにはとにかく全力投球&出資のDMMさんも参入を宣言、でもメルカリさんと同じくまだまだ検討中。なのかな。

 

DMM.comは、シェアサイクル事業「DMM sharebike(仮)」を、2017年末から2018年初頭のサービス開始を検討中であることを発表した。

事業開始の検討にあたり、事業パートナーとしてシェアサイクル文化の発展に協力できる自治体・企業パートナーや、駐輪用地の提供およびシェアサイクル事業の協業を検討できる事業者を募集中としている。

https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1079826.html

 

12/22追記

と思ったらやめてた!!でも至極まっとうな判断だと思う!!

自分たちがやるなら、NTTドコモのような(決められたポートに自転車を止めなければならない)サービスではなく、基本は中国で一般化している、どこにでも乗り捨てできる事業モデルでやりたいと考えていた。でも、想像するに、どうしても通行の妨げになるような放置自転車が出てしまう。回収用トラックを走らせたとしても、100%対応するのは難しい。

すると、ワイドショーなんかのカメラが大量に止めてある自転車を映して、街頭インタビューで「DMMのチャリがとても邪魔で、迷惑なんです」なんて言われているのが、もう目に浮かんじゃって(笑)。これではたたかれる。

長い目で見れば、そのうち市民権を得るサービスになっていくかもしれないけど、当面は公害のほうに注目が集まるのではないかと感じる。

DMMブランド全体のイメージが悪くなれば、グループ内のほかのサービスにも影響を与える可能性がある。

実際、社内のほかの部署からは反対の声も上がった。結局、「今回はメルカリさんに譲るわ」ということになった。

http://toyokeizai.net/articles/-/202328

「プレスうっちゃったし、なんとか形にしないと」っていう日本人的な後手後手思想ではなくて、ちゃんと「やりたいことが実現できないのであれば撤退すべき」というところや、「正々堂々と世間を幸せにしないのであれば、やめよう」っていうところが素敵。

 

 

Mobike japan(Mobike & LINE)

外資と手を組んじゃうぜえ~?というかたちでの展開になるのはLINEさん。個人的にはここが本命感ある。

mobikeは中国で立ち上がった自転車シェアサービスで、伸び方がだいぶ頭おかしい。(褒めてる)

上記した通り、シェアリングサイクルの発祥自体はヨーロッパなのだけど、台数換算するとなんとそれを10年足らずでアジアが欧州の数倍にまで広げ、しかもその8割とかが中国だったりする。マジか。

理由は割と明確で、移動手段のネットワークになるため、現地の都市構造、人口、景気、治安などによりけりだったりしていて、中国はその辺がすんごいわけですね。

それは中国で伸びた理由なわけなんだけど、これを日本でやろうと思うと、まぁ同規模ににまでは育たないと思っており。理由は明確で

 

・自動車普及率

・鉄道普及率

・地形に坂・山・谷が多い

・人口が少ない

 

などなど、まぁ探し始めたらキリがないとは思うんです。

逆に日本人のモラルの高さなどを見ると、自転車の廃棄率や乗り捨て数などはほかの国から見て優秀かもしれないので、そこはメリットなのかなと思ったりする。

 

一方で、日本のコミュニケーション流通を牛耳るLINEさん、とにかくアプリの一般浸透率はトップクラスで、老いも若きも男も女もほとんど確実にアプリをスマートフォンに入れている。

これだけでマーケティングコストが大幅に減らせる&会員の管理についても他社が一から頑張るのに比べて相当お得にできると思ってる。

正直、サービスの設計とか料金の設計とかを間違えなければ、このポイントだけで勝ち抜けるんじゃないかなと思うくらい。

 

・今後の肝は普及性と流通効率化

 

 

サービスには原価がかかり、ハードウェアを絡めたものだとその管理費とか耐久性なんかもコストの範疇に入ってくる。

 

自転車や移動手段というのは希少性ではなく普及性で訴えていく”よさ”のプロダクトなため、どこでもいつでもだれでも、ということが実現できていることは想像以上に重要な頑張りポイントだとおもう。

その足がかりとしてLINEアプリという圧倒的接点&露出と、中国という最大級のマーケットですでにうまくいっているプレイヤーがパートナーシップを結ぶというのは、なんとまぁ破壊力のあるプレスだなあと思った。

リリースに当たり、まずはデータを収集しまくるフェーズにもなってくると思うんだけど、そこにサンプル数がしっかり集まり、検証基盤と参考になるデータがすでに備わっている、というのも素晴らしい。

こういう系のインフラがかかわってくるサービスって、トランザクションの学習&効率化&学習&効率化&going on and so on…だと思うので、まずはたくさんの流通を発生させていくのがいいですね。(こなみ)

 

はたして、日本で「美味しいんだっけ」「上手くいくんだっけ」みたいなところはありつつも、まぁロマンあるやん。シェアリングサイクルを乗り回したいやん、とは思うので、各社応援している所存。

 

もうすぐ年末ですね。みかんたべたい。

 

なんつって。