FacebookとGoogleがそれぞれ発表したアトリビューションの測定ソリューション。
(文章がションションしてしまってなんか恥ずかしい。)

◆アトリビューションがなやましい。

目下、これが広告主のデジタルマーケティング担当者を悩ませているんだろうなあと思うのは想像に難くないっていうか現在進行形で悩ましい。

アトリビューションに関する姿勢自体は、以下の記事でも書かせてもらっておるとおり、「結局全てのユーザー接点をインポートして処理できないと、(真の意味で機能するアトリビューションは)難しい」というもの。
この姿勢自体は全然変わらず、ぶっちゃけデジタルの範囲外(TVや交通広告、DM)なんかも捕捉しないと適切なコストの投資配分は出てこない。

また、間接投資効果の活用の課題もう1点として、「そもそも採用されるアトリビューションモデルが正しいのか」問題もある

その辺は以下のエントリでちょろっと吐露した。

アトリビューションかラストクリックか、2017年の投資妥当性について

 

大きなブランド、サービスとなると、Webの集客であればWebマーケティングのチームで管理できるが、集客に絞ったとてオフラインだったりマス広告、ショットの連動、ソーシャル、トレンド、競合動向など、様々な変数が存在する。(しかも全然異なる指標を最大化するために配分されてたりする)


そのほか、”ちゃんと”分析をするのであれば天候だとか気温、交通状況だとか、テレビ・マスコミだとか、そういういろんなものをぶっこんでいかないと最適なモデルは組めない。これが現状工数的にも実現不可能なので、それらが出来るまではアトリビューションとか言いださないほうがいい。って思ってる。

 

最終的にやっぱり押し切ったチャネルが評価されるべきでしょ=ラストタッチアトリビューションモデル

いやいや、そもそも商品やブランドのことを知る機会となったチャネルが大事でしょ=ファーストタッチアトリビューションもでる

が片付かない。

 

個人的には「いや待て、そんなにきっぱりきっちりしたモデルになるの?実際。」派なので、回答としては「まだわかんないよねー」です。

◆なんでまたアトリビューションを掘りかえすの?

なんでこんな話題をまたひっくり返したかというと、Googleが以前から発表していたデータドリブンアトリビューション(Data Driven Attribution)、通称DDAが、いよいよロールアウトしたためだ。

しかも知ってた?無料ですってよ。ヤバくね。

なんていうか、今まではAdsの間接効果を測るために頑張って第三者配信ツールとかを有償で導入して、インプレッションベースの広告の間接効果とかを頑張って出して、「結局広告だけ見てもよくわかんなくなくなくなくね?」とかやってたのに、これを無料でとな。商売ナメてんのか(ありがとうございます)。

 

無料で提供(大企業向けのエンタープライズプランはさすがに有償になるぽい)、なんて言われたら、試さないなんてありえない(マーケターだから)なので、少なくとも仕様の理解はしておきたいわけですね。

 

◆結局問題は片付いたの?

・チャネルが限定的で正しい分析出来ずに意味ない問題

片付いてない。アナリティクス、adwords配下の露出面、そしてSearchといったGoogleさんの持ち物を統合できるのは、たぶん企業さんのマーケティング体制によっては結構なカバレッジになると思う、高い所ではおそらくデジタル上の70~80%くらいの情報は統合できるんじゃなかろうか。

と思うけど、SNSとかたぶん簡単にはデータ渡さないだろうし、まだまだな部分も多いので、Googleさんの頑張りに期待。

 

・アトリビューションモデルの正しさがわかんない問題

片付いてねええええ。(たぶん)

およそGoogleアナリティクス側で用意されているアトリビューションモデルは以下のようなんだけど、これって「結局これが正しいのか」の意思決定は人間がやらんといけないっぽいですね。働きたくないよう。

 

終点モデルアイコン 終点モデルでは、ユーザーが購入やコンバージョンに至る前、最後に利用したチャネルに、コンバージョンの価値がすべて起因するものと見なします。

使用方法: 購入段階のユーザーに行動を促す広告とキャンペーンを作っている場合や、ビジネスの主たる販売サイクルに検討段階が含まれない場合は、終点モデルがおすすめです。

 

Icon for Last Non-Direct and last AdWords Click 最後の間接クリックモデルでは、顧客が購入やコンバージョンに至る前、最後に経由(クリック)したチャネルに、コンバージョンの価値がすべて起因するものと見なします(ノーリファラーは無視されます)。Google アナリティクスのマルチチャネル以外のレポートでコンバージョン値を割り振る際には、このモデルがデフォルトで使用されます。

使用方法:最後の間接クリックモデルはマルチチャネル以外のレポートで使用するデフォルト モデルであるため、他のモデルの結果を評価する際の比較対象として利用できます。

また、ノーリファラーを、別のチャネルを通じて既に獲得している顧客からのアクセスと見なす場合は、ノーリファラーを除外して、コンバージョンに至る前の最後のマーケティング活動に重点を置くのが効果的です。

 

Icon for Last Non-Direct and last AdWords Click AdWords 広告のラストクリック モデルでは、顧客が購入やコンバージョンに至る前、最後にクリックした AdWords 広告に、コンバージョンの価値がすべて起因するものと見なします。

使用方法: AdWords 広告のラストクリック モデルは、最も多くのコンバージョン達成につながった AdWords 広告を特定し、その後の運用に反映する際に使用します。

 

起点モデルアイコン 起点モデルでは、顧客が最初に利用したチャネルに、コンバージョンの価値がすべて起因するものと見なします。

使用方法: 初期のブランド認知を目的に広告やキャンペーンを掲載している場合は、このモデルを使用することをおすすめします。たとえば、ブランド名が世間に浸透していない場合は、顧客に初めてブランドをアピールするキーワードやチャネルが重要となります。

 

線形モデルアイコン 線形モデルでは、コンバージョン成立までに各チャネルで発生したすべてのタッチポイントが、均等にコンバージョンに貢献したものと見なします。

使用方法: キャンペーンを運用する目的が、販売サイクル全体を通じて顧客との接触を維持し認知度を高めることにある場合は、このモデルがおすすめです。その場合、検討段階のすべてのタッチポイントが等しく重要となります。

 

 

https://support.google.com/analytics/answer/1665189

 

データの見え方とか可視化にバリエーションが増えたよ、というのと、科学的なアプローチから自動計算して正解を提示するよ、の間の溝はまだ完全に埋まってはない模様。

でもGoogleさんも「それをやんなきゃ意味ないよね」っていうのはわかってくれてるぽいので、同じく期待。

 

 

◆結局どうするのか

まさにDigidayさんに載ってた内容なんだけど、結論から言うと

「無料なので理解はしたい」

「独自ツール開発を勧める」

 

でございますね。

特に2点目の「独自ツール」というのは、Google自体が広告での収益を主軸としている以上、彼らはGoogleの中から出られず、カバレッジを高めるに限界が発生するからです。

どういうことかっつーと、「FacebookやAppleは、果たしてGoogleにデータを開示しますっけ?」ということですね。

adobeのような純粋なデータベンダーならともかく、競合となりうる以上、がっちりとした提携や連携は難しいと思われます。

 

そうなるともう代理店や大手広告主は独自の管理環境を構築するに走るんでしょうね。現に欧米ではそんな動きがちらほらと見て取れます。

自社サイトも外部サイトも統合された広告配信サーバー、立てちゃうのがいいのかなあやっぱり。とか妄想しちゃいますね。

 

とはいっても、ぼくらのコスト配分を最適にするための間接効果の可視化の冒険ははじまったばかりだ!!!マジで何がどうなるかわからない!

これからもGoogle先生にご期待ください!!

 

 

なんつって。

 

 

◆参考となったエントリー

The definitive guide to data-driven attribution

原典 is 神。

 

購入決定の要因(アトリビューション)を多様なキャンペーン構成要素から?機械学習で?分析するGoogle Attribution

TechCrunchさん(大好き)

 

http://unyoo.jp/2015/11/google-data-driven-attribution/

あとAdsの人たちご用達のunyoo.jpさん(同じく大好き)