ITP2.1がもたらしたマーケティング業界への本当の問いについて

やっほー。

DIGIDAYさんの小説みたいなのを読んだ。生真面目なのが災いして、読後に「え?ほんとにこのレベルでいいと思ってんの?」というもやもやと気持ち悪さが残ってしまったので、ランチの隙間に書いてみるよ。

読んだ感想としては「オーダー型運用代行担当者の愚痴」だった

「 ITP2.1 では、日本の広告運用の基準値がすべて変わる」:とある広告エージェンシー幹部の告白

読んだのはこれなんだけど、群馬生まれインターネット育ち左利きはだいたい友達という育ちの良さが災いして、いちいちツッコんでいくよ。ごめんな、正義感の強いタイプのマーケターなんだ。

グローバルで見るとiOSのシェアは20%弱。それに対して日本でのシェアは、一時期の70%からはシェアを落としてはいるものの、昨年時点でまだ50%弱はある。

お、おう、そうだな。

いまや、モバイルへの広告出稿額のシェアはどんどん上がってきており、ネット広告費の80%近くがモバイル広告への出稿だ。そのため、計測、ターゲティング、サイト内分析など、あらゆる領域で対応が迫られている状態といえる。

というわけでなんでのっけからずっとモバイルかつiOSの話をしているのかわからないけど、ITPの影響先はSafariブラウザで、かつ2.1以降(つまり2.0からのアップデート)でのインパクトは「(クライアントサイド付与の)1stPartyCookieの8日後削除」であることを自覚してんのかしてないのか。(しててこの内容を言ってるとしたら、あらまぁってかんじだし、してないならしてないで論外)

わかんないけどね、Safari利用者が非常に多いサービスとかなのだったら、非常に大変かもしれないけどね。

つまり、これまで計測できていたコンバージョンの一部が計測できなくなるのだ。ということは、目標のCPAも変わってくる。そこの握り直しが必要になるし、これまでの実績をベースにして年間の目標件数を決めているような広告主とは、目標数値の再設定も必要になるだろう。

ここの違和感もすごくて、ITPによる目標CPAが変わってくるということは、Cookie計測(それも1st party cookieで8日以上)での握りをしていて、それで年間の目標件数を決めている?マジで?どういうビジネスモデルのクライアントさんなのかは知らないけど、さすがに事業計画をCookieの数値使って試算していたとするのなら、ちょっと怖いなと思いますけどね事業会社の中の人間としては。

もしかしてPaidマーケティングでのKPIが事業計画とリンクしてない?そんなヤバい状況ある?マジ?わかんないけど。

さらにサイト分析で言えば、Googleアナリティクス(Analytics)上ではSafari経由のUU数が増加することが想定される。ということは、これまで広告運用の拠り所としていた基準値がすべて変わってくるのだ。

Safari経由のMAUに変化があるとすれば、広告運用の何にヒットするんだろう。拠り所がすべて変わってくるらしいんだけど、そうなのか?わかんねえ。

3月末に日本のツールベンダーから相次いで、それに対応する内容のリリースが出た。クッキー情報が消える8日目以降も、「ローカルストレージ」を利用することでユーザーを特定できるようにする、というものがほとんどだ。

これはそうだね、っていう感じ。ただ、この対策自体に意味はないと考えてる。なので、「なんでどのベンダーも対応しないいんだよ、怠慢だ!」っていうのはちょっと視座が低い。

海外のプラットフォームやツールベンダーからは、特に対応はまだ出ていない。おそらく、iOSシェアが高い日本の方が危機感を強く持っているのだろう。

あと、その後に続くこれは違うと思っていて、計測ベンダー大手のAdobeなんかは明確にLocal storageを利用しない理由を宣言してたりするよね。

https://medium.com/adobetech/safari-itp-2-1-impact-on-adobe-experience-cloud-customers-9439cecb55ac

ちゃんと大手の原本読もうな。

Why can’t Adobe create an option for us to set a cookie in local storage?

Local storage prevents customers from tracking cookies across subdomains; data loss from subdomain tracking issues appeared greater than the loss from potential 7 day expiration on first party cookies.

Adobe is investigating a fallback option that would allow customers to leverage local storage but there is no official solution at this time.

そもそもLocal storageに対する理解もなきゃね、マーケターなら。

さらに、おそらくなんだけど今回のITP騒ぎで一番やんややんや言うのはアフィリエイト界隈で、「おい、ASPは対応方針どうすんだ!」みたいなのが国内で騒がれているけど、海外のアフィリエイトプログラムを運用してる広告主と会話すると、不正対策の結果、成果がセッションベースだったりクライアントDB計測だったりなど深かったりするので、そもそもITPで欠落するほどのアトリビューション期間を持ってなかったりするのよね。

日本の市場はユルいねん。これでもユルいねん。アフィリエイトってマジムズいよな。

Appleのエンジニアがローカルストレージにも対応していく、と明言している。だがら、ローカルストレージが使えなくなるのも時間の問題だと思う。

これは明確に当たり前だと思ってて、要はappleはじめIT大手がなんでITPプロジェクトを進めてるのかを理解しておきなさいよって感じ。

ただ結局は、自分たちで詳細を理解するというよりも概要は把握して「詳細の対応は代理店やツールベンダーにお任せ」という広告主がほとんどだと言える。

上記に加えてこの姿勢はゴミすぎ。

本当だとしたら、世間のマーケターっていうやつらは何やってんだって感じ。仕事ナメんなよ。

当たり前レベルのことを余所に任せてTwitterばっかしてちゃダメだよ。マジキャリア行き詰るし、いろんな会社にお邪魔して飲み会しててもブランドの成長加速度は保てないし、給与は上がらないぞマジで。

クッキーではなく、モバイル端末の広告識別子である IDFA/AAID を活用した広告配信手法が徐々に主流になっていくと想定している。

ITPの流れとは別だったが、DMP・CDP活用の流れも強まってきている。自社データをいかに分析して、IDFAやAAIDに繋いで、どのように広告配信で使っていくか、が重要になってくるだろう。

あとここ。浅すぎてマジでビビる。

ITPっていう業界標準に対する課題提起を、「目先の利益や成果のためにいかに回避するか」みたいな状況におかれていて、このインタビューに答えたエージェンシーは本当に今後死にゆくタイプの「オーダー型運用代行」なんだろうなと思った。幹部さんなの?マジ?

ITPという問いからデジタルマーケティング業界が受け取るべきメッセージは、「さらに生活者のことを考え、想像を働かせよ」であると思ってるんだけど。

ITPがマーケティング業界に問いかけていること

つまりどういうことか。

多くの広告主、事業主にとって、ITPの推進がもたらした最も大きな課題提起は「リターゲティング(リマーケティング)の死」なんじゃないかね。

つまりは、ユーザーの行動履歴という、「わかっている像」に対する手法から、(今回でいうとSafari分は)「わかっていない像」への、意識の転換を求められている。

この動きはAppleがDo not trackをリリースしたときから、来るであろう未来だったと、多くの人に告げられていたはずだ。これはエージェンシーだけでなく、広告担当や、プロダクトやブランドのマーケティング担当者も知っておくべき動きだったし、備えておくべきテーマだったはず。

幸いにも、あるいは不幸にも今回のITPの影響範囲は限定的だ。そのため、ほとんどのチャネルにおいては、引き続き「わかっている像」へのアプローチで今までの数値計画は満たせるかもしれない。よかったね。

ただ、今後これらが「わからなくなる」可能性は大いに残っている。そうなったときに、あなたなら、誰に、何を見せる?

そういうプランニングについても、意識しておいた方が確実に良いだろうと思うよ、何より自分自身のために。

マーケターならインターネット産業の力学を理解しよう。

インターネット産業の拡大と進化は、非常に多くの便益と、マーケティング費用の流通をもたらした。

ただ、技術的な進化が過熱し続けるこの業界において、プライバシーの保護というのは、ユーザーの権利保護に直結し、ユニバーサルコレクトネスとしてビジネス利益を超える強制力を持つ。

流通するリターゲティング費用がシュリンクなるから?そんな話には多くの人々は耳を貸さないだろうことは明白だ。

ただし、これをチャンスととらえることもできる。

自社のポジション把握とトレンドやユーザーライフスタイルの変化を捉えることはマーケティング戦略の立案における初歩オブ初歩だよね。それをインターネット産業にいる自分自身でもやっておこうな。

つまり変化が起こるということはピンチが生まれることだけではなく、その対極にはチャンスが必ず訪れている。

インターネット広告に関わる多くの人たちは、心のどこかで「見えない像」へのクリエイティブなチャレンジを希望ないし渇望しているんじゃないだろうか。

マス広告、オフライン広告、セールスプロモーション、戦略的PRとは異なり、唯一オンライン広告だけが、的確なトラッキングとログの蓄積、それに伴う効果フィードバックとアルゴリズムの即時調整と機械学習という運用レバーを得てしまったが故に、情熱や大胆な仮説をエクセルの数字に潰されてきたのではないだろうか。

願う。
見えている像への投資や効率改善も立派なマーケティングの役割だ。その一方で、業界全体として、もう一度「見えない像」への意識転換が求められるようになるかもしれない。

そのときのために、ちょっとでも脳みその準備をしておこう。

もし明日からリターゲティング広告が使えなくなったら、自社のブランドを、クライアントの商品を、何をどう訴求する?

街中に溢れる広告を素材に15分程度の思考実験だけでも、きっと今までとは違うプランナーとしての自分に気が付けるかもしれない。

知的労働者であるために、何より事業貢献のできる課題解決従事者であるために、視座をいつもより少し高くして、少し先を見据えてみてもいいんじゃないかと思う。

だってわかんないことのほうが興奮するじゃないですか、マーケターって。

私はそうです。

なんつって。

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