おっす、おら昼飯。
元MERYのありこー氏が立ち上げたHotspring社の「ズボラ旅」が話題だ。
リリース初日の昨日では、Twitterのトレンドでも1位を獲得していたり、とにかく話題性がすごい。すごいんだ。おれのまわりだけかな。いや、でもトレンド1位だしな。
ありこーさんのキャラクターや市場からの愛され力によるものでもあろうけど、意外と「旅行に行きたいけど比較検討がめんどくさい」というニーズはあったようで、初日で3000件を超える依頼が発生してるんだそうだ。
このあとズボラ旅は事業としてどこに行くのかなーと昼飯を食べながら考えてみたので軽くメモってみる。
Outlines
初見は正直「うーん」
なんらかサービスがリリースされるぞ、というのは上野の池周辺のTwitter界隈から聞こえては来ていたので楽しみにしてたんだけど、実際リリースされたのは「LINEのChatbotやん」「旅行業界のぺこったーやん」というものでした。
たしかに予約体験のUXとして「一気に決まって一気に予約されてる」というのは感動的だし、新しいのでその体験価値を押していくというのはよさそうだとは思った。
けれども、このモデルはめちゃくちゃスケールしない。スケールの鍵は、問答をいかに自動化できるか、それこそ(在りし日の)ぺこったーのような世界観やスケールロードマップを描く必要がある。
と思ったら、なんと全部人力でやってるなんて言ってる。
https://twitter.com/ari_kou/status/998750484109258753?s=21
マジかよおいおいこりゃーたまげたぜ。こいつぁキツいな。
ほんとにこれで資金調達できちゃったの?どげんヌルゲーと?
そう思っていた。
でも、いまは風向きが完全に変わったかもしれない。
ズボラ旅が旅立てそうな風向きになってきた
マーケットからのアツいフィードバック
1点目はユーザーからの圧倒的にポジティブなフィードバック。
「たしかにそうだよね」「これはよさそう」の声がとにかく多い。潜在的なマーケットは確かにある。
旅行って一般的にプランニングすることも楽しさだととらえられていて、旅行産業に根付くサービスの多くはユーザーに比較検討の余地を残すためにあえて網羅性や一覧性に注力してたりする。
Hotspring社の本体事業である「こころから」はスポット情報やホテル情報などを集めた独立版のgoogleローカルガイドみたいなものだ。だけどここにランディングするユーザーは、どちらかというとアクションではなくて情報の取得が目的で(要はインフォメーショナルなクエリ)、この検索導線でユーザーを捕まえても収益化することが難しい。
また、一方で広告をいやしく入れるのも今日においてはダサい。
やっぱりなんらかアクションをさせないと、マネタイズにおいてもサービスが人々に与えるインパクトとしてもしっくりこない。そんな葛藤の答えの一つの形なのかもしれない。
それが、功を奏した。
巷では「サービス側がユーザーを学習して最適な提案を決めてほしい」というステージに成熟してきた、なんて言われている。
要はGoogleのように「こちらが該当した全部です」でドーーンよりも、「これがいいんじゃないでしょうか」という提案がほしいんだとか。
※りょかちちゃんや10Xのやもってぃさんが言うようなやつだ。(ソースは失念した)
そういう意味で時流には沿っているし、なにより「人が提案している」っていうのは安心感をもたらすのでとてもサービスの肌触りが良さそう。
オペレーティングリソースが集まりそう
2点目はこれ。
https://twitter.com/ari_kou/status/999143515090137089
https://twitter.com/ari_kou/status/999245066215440385
マーケットがポジティブな以上、オペレータのリソースが需要に対してどれくらいあるのか、がこのサービスの天井を決めてしまうし、課題だと思ってたんだけど、ここは愛され力(?)の権化ことありこー氏なので、めっちゃ人的リソースあった。え、うそ、できるやん。コンシェルジュサービスできるやん。
ソーシャルキャピタルってすごい。さすが。
あとはCOO的な人がオペレーション体制やレギュレーション整えれば見えてくるやん(光に包まれたなにかが)
というところで、どこまでいったら成功なのか、というのはありつつ、ユーザーの期待に応えるサービスにには十分なりうると思っている。
完全に外野な素人目でおもう今後の課題
収益化
まずはなんといってもマネタイズ。どういう座組みでやられてるのかはわかってないんだけど、楽天さんの在庫をつかってるぽく、これの成果報酬だけだとさすがに大変そう。
しかもこういうタイプのアフィリエイトってホテル予約しかないんじゃないかしら、もったいないんじゃないかしら。
送客力はありそうなんだけど、これがじゃあたとえばローカルな自治体とかに営業できたりすればいいんだけど、すぐすぐには難しそう。がんばれ。
在庫獲得
旅行や移動方法、あるいはいった旅先でのイベントやアクティビティのような予約みたいなマーケットも出てきているので、この辺もがっつり取りに行けると新しいおでかけのスタイルが体現できると思う。同様な「おでかけスタートアップ」はたくさんあるので、在庫連動とかもできるのかな、もう進んでるのかな。
あとは、こういうコンシェルジュスタイルのプロダクトなので、やっぱり独自在庫、このパターンでいうとパッケージ商品などにも期待したいところ。露骨に差別化ポイントになりそう。
AirbnbのエクスペリエンスやTABICAとか、TripPieceみたいなCtoCライクにプランも集めたりしちゃったら独自性が出てよさそう。
オペレーションの自動化
さすがにオール人力だとサービスの成長とオペレータの死者の数が比例してしまうやばい装置になるので、あたりまえだけど、ダイジ。
全自動ではなくても半自動でいいと思うし、なんなら(在りし日の)メカペコくん的なストーリーに乗せた移行ができちゃったりすると超カコイイ。電話予約代行になっちゃダメ、ゼッタイ。
でも一方で【人がアテンドしてる】というところに価値を感じられたりする設計なので、ただのChat botサービスにすればよいというわけでもない。
ある意味、リアル店舗で旅行プランの相談を受けるような代理店をスマートフォン上にリプレイスするっていう事業設計になっていると思うので、ここの「ヒト感」は残しておくのが大事なんだろうなあ。
それでも上手くいってほしいと思う。
いろんな挑戦があり、失敗や怒られごともあるこの界隈だけど、基本的にインターネッツでスタートアップなら、従来のシステムにケンカを売って、新しいことでブチ壊して21世紀の日本や世界をより便利にしてほしい。
「こころから」というサービス自体、今回のズボラ旅がすべてではなく、あくまで全体のなかの”旅先への出会い方のひとつ”なのだろうし、これからどういった展開を見せるのかはとても楽しみ。
オンライン予約の普及により「比較・検討・予約確保」がユーザーの手元にある今、食べログで決めるかのごとく、どこか旅にも「わかりきったことを決める感」が出てきてしまっているように思う。
もともと不確実や非日常へのアプローチとして旅があった、ということを考えるとそこに違和感を覚えたりもする。
旅というわくわく感だとか、明日はどっちだ感というか、そういった「商業化されすぎた旅行業界」に切り込んで、旅行を”おれたちのもの”に戻していくサービスだと個人的には嬉しい。
https://twitter.com/tarbrick/status/999150689845633024?s=21
あと、サービスを1日でパンクさせると某現金化サービスよろしくDMMさんが買ってくれる、というジンクス?ジャパニーズドリーム?をぜひ体現して、さえない社畜マーケターもジョインさせていただきたい。
なんつって。
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