わーい!!!ありがたいことに行って来ました。

お声がけくださってありがとうございやした。

 

行ってきたイベント

2018年の11月27日、PR Tableさん主催のPR 3.0 Conference(https://blog.pr-table.com/conference2018/)にいってきました。

3.0はおろか、PRというものをざっくりと「広報?とかプレスリリース?」みたいな、公園の水場もびっくりする浅さの理解度で参加した次第です。

 

 

行ってきた人

普段は自社のサービスのマーケティングの全体戦略を頑張って考えたり、一方でやれアドテクだのSEOだのCRMだのコンテンツを用いたリードマーケティングだののR&DとかR&Dとかじゃないことを頑張っていたりします。

いま興味があるのはブランドのストーリーテリングとユーザーの態度変容の関係性の科学とか、レコメンドエンジンとかコミュニティマーケティングとかです。よろしくおねがいします。

 

っていうことで早速。

見たプログラムかつ「外部公開していいよ」っていうやつをあれしますが、めちゃくちゃ長いです、すごく長いです。だからどうってことはないんですが、長いです。

 

 

【キーノートスピーチ】イノベーション企業はPublic Relationsを経営に取り入れている

スピーカー:高岡 浩三さん(ネスレ日本株式会社 / 代表取締役社長兼CEO)

 

ネスレ日本、高岡さんのキーノートスピーチ。

内容のサマリーとしては

「イノベーション経営を推進したくば、課題解決能力だけでなく課題発見能力も高めるべし」

「そのためには、積極的に”新しい現実”を、真摯に見つめるべし」

とのこと。

この”新たな現実”における課題発見や、その後の課題解消のための手法に、マーケティングだけではなく、パブリックリレーションズを取り入れることで、「より良い新しい現実」をしっかりと世間に敷設していくのだぞ。というもの。

 

 

あとは、これは当たり前の当り前なんだけど、マーケティングにせよPRにせよ、何か世に広めるとなった際は、「そもそもプロダクトの品質はよくあるべし」とのことでした。超賛成。

よく、広告とかSEOとか、「How」の部分に少し知識や意欲のある中小企業の方に「どうやったらマーケティングでプロダクトを伸ばせますか?」みたいなことを聞かれるんだけど、結局集客というのはプロダクトがあって効率が決まってくるし、改善レバーとしてはまずはそこからとりかかるのが一番大きかったりするよね。

なので広告とかコンテンツとか、色々考えるのも良いんだけど、フェーズ次第ではまだまだUIUXとかCSなんかと協働しながら市場の声を自社に反映していくことに注力するのがいいと思うんだ。

 

【ランチセッション】変化する企業は経営戦略としてのPublicRelationsを再評価すべきだ

スピーカー:

株式会社ナイアンティック / アジアパシフィック プロダクトマーケティング シニアディレクター
足立 光さん

株式会社メルカリ / 取締役社長兼COO
小泉 文明さん
慶應義塾大学 / 准教授(SFC・総合政策学部)
琴坂 将広さん

 

ご飯食べつつきいた。

サマリーとしては

・PRはぶっ刺さると色々とコスパが良いので、使い方研究した方がいいよね

・オウンドメディア みたいな形で、組織や企業が自発的に外部にポジティブな情報発信ができるととてもいいよね

・ネガティブな話題を防ぐことはできない、そういうことが起こった時のために、常にポジティブな話題を世間に提供し続けることが重要

 

っていうあたりでした。

話題の作り方や話題の届けかたばっかりがフォーカスされることが多いんだけど、結局この辺もレイヤーでいうと「How」のほうなので、まずは「What」が生まれる仕組みづくりや文化作りが、中長期的に組織やサービスを大きくするために必要なんだなって思ったりしたよ。

自社メンバーにとっても良いだろうし、採用なんかでもめちゃくちゃ成約率あげてたりするよね・・・。

 

 

平成のその先へ・・・時代を象徴するコンテンツってどう作る?

スピーカー:

The Breakthrough Company GO / 代表取締役 PR / Creative Director
三浦 崇宏さん
ワンメディア株式会社 / 代表取締役
明石 ガクトさん
ハフポスト日本版 / 編集長補佐 / NewsEditor
南 麻理江さん

 

今回のカンファレンスの目玉コンテンツの一つであろう、このセクション。

やっぱりやっぱりやっぱりさすがすぎる盛り上がりと内容の濃さ。

もはや平成という時代自体をコンテンツとして構造的に斬っていく、そしてポスト平成に受け継がれるであろう要素を列挙していく。

単純にコンテンツとして楽しめた。多謝&多謝。

 

サマリーとしては下記。

・映像ではなく動画、「作る」と「届ける」をバーティカルにコントロールする時代がきた。

・「平成」という時代のエンターテイメントは大きなシステムの繁栄と流行、そして疑義、ひいては「個人のストーリーへの帰化」という大きなパラダイムシフトを内包していた。

・映画が「映画」から「ミュージカル的体験型エンターテイメント」になったように、個々の情報消費や情報行動はさらにアップデートされたり再定義されることになる

・佐藤可士和さんを育てたのは「うんこ」(!)

 

大きなシステムから個々人に権威性が分散していくというのはブロックチェーンだったり信用経済だったりスモールビジネスの復興だったりと、21世紀を飾る大きな産業的ムーブメントであることとして説得力は十分にある。

さらに今回のPublic Relationsに当てはめてみると、PRというのは広告やマーケティングのように「ヒトを動かす」というより、「世の中に文脈や空気感をつくる」という目的のもと設計・評価・期待されていることが多い。

世の中も結局は「個の集合」であるとおり、最終的にPublicに対するコミュニケーションは実にPersonalだったりする。

なので従来型のメディアリレーションだったり、プレス対応だったりというものをPRとするのであれば、それはかなり古い価値観であり、いま情報を受け取る一人一人が自身のSNSアカウントなどで誰かに発信できてしまう以上、世の中のすべてのひとをメディアだと思ってコミュニケーションをとらないといけない。

そういう時代になってきたよね、と。

なので、世間とルールを握るというタイプのコミュニケーションより、一人一人のことを思い、寄り添い、発信していくタイプの企業スタンスや物語性が支持を得る。そこを履き違えちゃいけないね。と思った次第。深い。

 

 

 

※これはペイミーくんではなく、Paymeとのことでした、間違えたった。。

 

 

 

 

企業はどうすればミレニアル世代から愛される?新時代の企業コミュニケーション

スピーカー:

NEWPEACE代表 / Vision Architect
高木 新平さん
BLAST Inc. CEO / SNSコンサルタント
石井 リナさん
Business Insider Japan 統括編集長 / AERA元編集長
浜田 敬子さん

 

 

続いてはこちらにお邪魔。

いわゆるミレニアル世代はどうやったら取り込めるんだってばよ、という話。

個人的に「ミレニアル世代」とひとまとめしてしまうのは結構危ういと思っていて(マーケティング脳)、結局ミレニアル世代自体も、最初の方と最近のほうはかなり性質が異なるし、また各世代の中でも「到達型」と「現状維持型」みたいな違いがあるから。

前者に関しては以下のようなエントリにした。

 

カンファレンスの内容は以下。

サマリーとしては

・嘘はダメ、バレるし反感を買う。でもノリの良いフェイクなら突破できる。

・つまりは芯を持つこと

・リアリティが大事

・でもだからこそ重くなりすぎないように

 

 

 

 

 

 

総括〜マーケターから見たPR〜

 

懇親会でひとり浮く私(画像はイメージです)

 

今回のカンファレンス、わざわざオンラインマーケティング畑の人間がなぜ参加したのか。

まず第一に「マーケティングの効力には限界があるし、最近それがどんどん近づいてきてる」と感じているからだ。

マーケティング、殊に自分の勤める会社のように結構大きな組織だと、それぞれのチャネルや投資ラインによって「期待される指標はこう、それが実現されるであろうロジックやアルゴリズムはこう」といった、データ・ドリブンといえば聞こえはいいものの、とにかくデジタル化が進んでいる。

こういうところにおいて、マーケターの勘や予想は、以前より精度を増して当たりやすくなる。と一方で「当たりやすくなる」あまり「常に当てることを期待される」ようにもなる。

そうなったとき、仮説や置きたい状況をデータ・ドリブンに設計してしまうと、それは「精度の高い予測」に他ならず、非連続だったり想定以上のレバレッジの効いた実績にはなりにくい。最悪、目先の指標に囚われて縮小再生産のスパイラルに陥る。

 

マーケターの能力や評価は、その人が見つけ、解決した課題の大きさに等しいとよく言われる。

誠に自分勝手で恐縮だけど、今の潮流に乗り続けること、つまりは連続的な改善の一員になってしまうことに、自身のキャリア観点であまり旨味を感じなかった。

自分としても、大元のもともとは企画やイベント畑の脳みそをもった人間であり、あえて30代に入ったこのタイミングでそちらのほうに原点回帰(感覚的には”強くてニューゲーム”だが)することを念頭に入れた結果、マーケティングよりももっと「見えないもの」を動かすPRの最先端が気になった。

 

第二に、そもそも自分自身がPRによって動かされることが増えてきたと感じることだ。

職業柄、アフィリエイトだったり広告だったり、コンテンツマーケティングだったりに対する嗅覚はかなり研ぎ澄まされてるほうだと自負している。リダイレクトをインターセプトしてどのASPなのか見たり、Adowrdsのクリックアクションにつくパラメータ構成を見て「こういうアカウント構造にしてるんだなあ〜」とかやったりする。我ながら気持ち悪い。

 

もちろん、「だから俺はCVしない」わけではない、ただ背景が透けて見えることはある。

そりゃ自分が日頃やってる業務だったりするのだから当然だ。

そうなると「自分からは見えにくいもの」がどうしても気になってしまう。それがPR領域だった。もちろんプレスリリースを書いたりメディア対応をしたり、という経験はある。

ただ、新産業領域における(いわゆる)ロビイングだったりとか、クライシスマネジメントのような経験はまだないし、「そもそもなんでそんなこと考えたん?」みたいな世の中の企業コミュニケーションのとり方ってあるやん??KPIはなんなの?ROI合うの?みたいな。

 

あの辺が気になってしょうがない。だから最前線を聞きに行った、そんなかんじ。

 

PRというのをなんとなく掴んでみたらこうなった。

完全にマーケ畑でインプレッションとかアトリビューションとかROASとか言っちゃうタイプの自分だけど、なんとなく、暖かい空気に迎えられ、以下のような発見をしてきた。

 

「世間を構成するのは、様々な一人一人である」ということ

PRって聞くと、やっぱりメディアリレーションとかプレス対応って思いがちなんだけど、メディアという装置を「インフォメーションやオピニオンを発信するもの」とすれば、いまSNSアカウントで世間に発信できる人はみんなメディアだし、こことのリレーション構築というのは引き続き命題として存在している。なので、業務領域は広がっているし、頭の使い所も、よいりパーソナルなアテンションをいかに得るか、という方向へ拡張していると感じた。

 

「優しく、親切で、でもインテリジェントな呼びかけ、語りかけである」ということ

上記したアテンションに関するところでもあるけど、コミュニケーションの設計上、どういったフォーマットで、いつ、どこで、どういうメッセージを当てるのかというのは、広告やCRMなんかと何も変わらない。相手のことをしっかり考えて、自分ごと化しやすいようにデリバリーしたり、あるいはアクションの導線を提示して見たり、そのアクションが拡散しやすいように経路設計をすることが重要。

ただのエモエモラブレターを送るのではなく、あくまでインテリジェントにコミュニケーションを設計しておくことも、Public Relationsの役割が拡張していくのに伴って重要性を増す一方である。たとえばそういう意味で、会員データや外部から同期した興味関心のオーディエンスデータを紐づけてプランニングすることも効果的かもしれない。

テクノロジーが入る余地もまだ十分にあると感じた。

 

 

目的や指標のひとつは「世間との合意形成」であるということ

「KPIはなんなの?ROIは見合うの?」と騒いでみたものの、どちらもPRという手法の担うものではないのかもしれない、と感じた。というのも、もっと大きな下地を整えることが、事業やブランドの中長期的な成長には必要だったりするからだ。

そういう意味で、たとえばメルカリ、Uber、Airbnbなどの、今までの人類の生活にはない新しい市場を開拓する「新産業プレイヤー」において、PRという機能が非常に重要視されていることは自然だ。

プラスの側面で、新しい現実を世間に広げていくという活動、また政府や自治体とのリレーション構築や時には法的な解釈に対して意見したり提言を行うロビイング活動は、既存市場のなかでパイを取り合う企業ではなかなか気が付けない重要な「そもそも」だったりする。

また、一歩間違えば炎上や事件に発展してしまうリスクもあり、海外のスタートアップがこぞって「クライシス・マネージャー」職を高給で雇い入れる理由も理解できた。

 

 

あるいは「物語を空気に実装する」ということ

さらにいうと、人をなんとなく動かす謎の力、それをときに「世間の空気」と呼ぶのかもしれないけど、PRという手法は、数少ないその空気を動かす力を持っている。どのようにやるべきかっていうのは、わからん&知らん。動的に変わるのでこれといった王道はないんだと思うんだけど、結果からいえば、そういう力を持っていそうだと強く思う。

もちろん、広告やコンテンツマーケティングでもアプローチが可能ではあるかもしれない。

ただ、いろんな制約がかかる分、また、「裏側の透けて見える感じ」なんかもその期待効果を押し下げてしまってるのかもしれない。

”中の人が見える”とか、”ビジネス臭がしない”といった情報を、ユーザーもどんどん嗅ぎ分けられるようになってきているという話は、ネイティブ広告の到来と同時に露呈した「ステマ(ステルスマーケティング)」問題のときに語られた。

ステルスでもなく、そしてもマーケティングでもない情報発信となれば、それが「PR」なのかもしれないって思った。

 

 

 

今回、なかなか普段は聞けない話や、普段会えない人と仲良くなることができたので非常に有意義だった。

自分が協力させてもらってるサービスやブランドの課題によっては、「こういうアプローチはいかがでしょう」「もっとこうする必要があると思います」なんていう会話もできそうで、いい感じだなーって思ったとさ。

 

後半がやけに軽いよね。スタミナ切れってやつでさあ。

明日からもがんばるぞ。

 

なんつって。